
連休、どんなふうに過ごしていますか。台風の予報も出ていますし、物価も高いし、「今年はおうちでのんびり」というご家庭も多いのではないでしょうか。
家にいる時間が長くなると、つい増えるのが「ちょこちょこ食べ」です。テレビを見ながらひとつ、ゲームの合間にひとつ、気がつけばテーブルのお菓子の袋が空に……。
じつは歯にとって気になるのは、おやつの「量」よりも「回数」のほうだと言われています。今日はそのお話です。
食べるたびに、歯の表面はほんの少し溶けている
お口の中の細菌は、糖分をエサにして酸をつくります。飲食のあとしばらくの間、お口の中は酸性に傾き、歯の表面からカルシウムなどの成分が少しずつ溶け出します。これを「脱灰(だっかい)」といいます。
ただし、溶けっぱなしではありません。だ液が酸を中和して、溶け出した成分を歯に戻してくれます。こちらは「再石灰化(さいせっかいか)」。私たちの歯は毎日、「溶ける」と「戻る」をくり返しながらバランスを保っているのです。
同じ量でも「1回で食べる」と「5回に分ける」は違う
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
たとえばクッキー5枚。おやつの時間に5枚まとめて食べれば、歯が酸にさらされるのは1回です。ところが、30分おきに1枚ずつ食べると、お口の中は酸性に傾くたびに戻りかけ、また傾き……をくり返し、歯が「戻る」時間をとれなくなってしまうと考えられています。
WHO(世界保健機関)は、むし歯のいちばん一般的な危険因子として、食べ物や飲み物に含まれる糖類(フリーシュガー)の摂取を挙げています。また、FDI(世界歯科連盟)は、糖類の「量」と「回数」は深く関係していて、回数を控えるアドバイスも大切だとしています。
甘い飲み物をちびちび飲み続けるのも、同じ理由で要注意です。飲み物の選び方については、水筒の中身と子どもの歯の記事でくわしく書いています。
連休のおうち時間、3つのコツ
1. おやつは「時間を決めて、お皿に出す」
袋のまま置いておくと、手が伸び続けてしまいます。食べる分だけお皿に出して、「3時のおやつ」と時間を決める。昔ながらの習慣は、歯の面から見ても理にかなっていると言えそうです。
2. 食べたあとは、お水かお茶をひと口
すぐに歯みがきができなくても、お水やお茶でお口をゆすぐように飲むだけで、お口の中に残る糖分を減らす助けになります。
3. 寝る前だけは、いつもよりていねいに
寝ている間はだ液が減り、「戻す力」が弱くなります。夜ふかししがちな連休こそ、寝る前の歯みがきはていねいに。お子さんの仕上げみがきも、夜だけは続けてあげてください。
「食べちゃダメ」ではなく、「メリハリ」を
連休のおやつは、家族の楽しみのひとつです。がまんする必要はありません。食べるときは食べる、食べないときは食べない。そのメリハリが、歯を守ることにつながると考えられています。
歯がしみる、詰め物が取れた、黒っぽいところが気になる――そんなときは、自己判断せずに歯科医院にご相談ください。当院は9月20日(日)〜24日(木)はお休みをいただき、9月25日(金)から通常どおり診療いたします。連休明けの定期健診で、お口の中のチェックもどうぞ。
参考:WHO「Sugars and dental caries」(2025年8月更新)/FDI World Dental Federation「Dietary Free Sugars and Dental Caries」

